世界一わかりやすい不動産 : 8

賃貸経営の基本・入居者募集と管理 : 8

Date Icon
Sep 17, 2024

賃貸経営の基本:入居者募集と管理

不動産投資の楽しさの一つは、物件を購入したその瞬間に終わるのではなく、賃貸経営という長期的なプロセスがスタートするところにあります。しかし、このプロセスには「入居者をどうやって見つけるか?」そして「入居者が快適に暮らせるように物件を管理するにはどうすればいいか?」という2つの大きな課題がついてきます。

ここで成功するためには、単に物件を持っているだけでは不十分です。入居者が安心して住み続けられるよう、プロフェッショナルな管理が必要ですし、魅力的な物件として認識してもらうための効果的な入居者募集も欠かせません。この章では、入居者を早く見つけるための方法や賃貸管理のコツについて、具体的にそして楽しく解説していきます。

入居者募集の成功法

不動産投資で物件を購入したら、次に考えるのが「どうやって入居者を見つけるか」です。ここが賃貸経営の第一歩です。いくら良い物件でも、誰も住んでくれなければ意味がありません。空室が続くと、その間は家賃収入がゼロになり、固定費だけがかかることになります。だからこそ、早めに、そしてしっかりと入居者を確保することが非常に重要です。

1. 賃料設定はバランスが命

まず最初に考えるべきは、賃料の設定です。賃料は入居者募集において最も重要な要素の一つ。高すぎれば誰も借りたがらず、安すぎればオーナーとしての利益が減少してしまいます。この絶妙なバランスを取るためには、周辺の賃料相場をしっかりと調査することが重要です。

たとえば、駅から徒歩5分以内で築5年の物件と、徒歩15分で築15年の物件があったとします。前者が家賃12万円で貸し出されているなら、あなたの物件もそれに合わせた価格に設定すべきです。価格が競合物件と合致していれば、入居者も「これは妥当だな」と感じやすく、興味を持ってくれるでしょう。逆に、10万円の賃料で貸し出すとすぐに入居者が決まるかもしれませんが、利益が少なくなるため、賃料設定はじっくり考える必要があります。

2. 魅力を伝える広告戦略

賃料を決めたら次に考えるのが「どうやって物件を見つけてもらうか」です。現代ではインターネットが入居者探しの主戦場。ポータルサイトに物件を掲載するのが一般的ですが、掲載する際にはいくつかのポイントがあります。

まずは、物件の写真。誰もが一番初めに目にするのが物件の写真ですので、ここで「おっ、良さそうだな」と思ってもらうことが重要です。明るい時間帯に撮影し、部屋が広く見えるアングルを工夫しましょう。たとえば、キッチンやバスルーム、収納スペースなどの重要ポイントをしっかりと撮影し、見せたい部分を強調します。また、内装のデザインがモダンであれば、その特徴を生かした写真を掲載しましょう。

さらに、写真だけでなく物件の詳細説明も入念に行います。「駅近」「オートロック付き」「収納が多い」など、入居者が魅力に感じるポイントを明確に記載しましょう。特に、周辺環境の便利さもアピール材料になります。例えば、「スーパーまで徒歩3分」「24時間営業のコンビニがすぐ近く」など、生活利便性を具体的に伝えることが効果的です。

3. 内見の準備

さて、物件に興味を持った入居希望者が内見にやってきたら、いよいよ現地での勝負です。内見は、入居者にとって物件との「初対面」。ここで良い印象を与えることができれば、契約につながる可能性がぐっと高まります。

まず、物件が清潔であることが何より大切です。誰でも綺麗な場所に住みたいものですから、内見前にはしっかりと掃除を行い、不要な物がない状態にしておきましょう。また、空室の場合でも、部屋のイメージが湧くように、明るく照明をつけ、カーテンや家具を仮設することも効果的です。

さらに、キッチンやバスルームといった水回りが清潔で整っているかどうかも、入居者が特に気にするポイントです。収納スペースの広さや使い勝手も見られるので、ドアや引き出しがスムーズに開閉するかを確認しておきましょう。内見者が帰るときに「ここに住んだら快適そうだな」と思ってもらえるような演出を心がけましょう。

賃貸管理の基本

入居者が決まったら、そこで一息…と思いたいところですが、賃貸経営はここからが本番です。物件をしっかりと管理し、入居者に快適な生活を提供することが、長期的な安定収益につながります。物件が良くても、管理がずさんだと入居者は不満を感じ、早期退去やクレームが増える原因になってしまいます。そこで、賃貸管理における基本的なポイントを見ていきましょう。

1. 入居者との良好な関係を築く

賃貸経営において最も重要なのは、入居者との信頼関係を築くことです。入居者がトラブルや問題を抱えたときに、オーナーや管理会社が迅速に対応してくれるかどうかが、入居者の満足度を大きく左右します。特に、設備の故障や修繕の依頼があった場合は、できるだけ早く対応することが大切です。たとえば、エアコンや給湯器が壊れてしまった場合、入居者にとっては生活に直結する問題ですので、すぐに修理を手配することで信頼を得ることができます。

また、定期的に入居者に連絡を取り、物件に関して問題がないかを確認することも良好な関係を維持するための大切な手段です。小さな問題でも、早めに解決すれば大きなトラブルに発展することを防ぐことができます。たとえば、「雨漏りが少し気になる」といった声が聞かれた場合、早めに点検を行うことで大きな被害を防ぐことができます。

2. 物件のメンテナンスと定期点検

入居者との関係を良好に保つためには、物件自体の管理も欠かせません。建物や設備が適切に維持されているか、定期的なメンテナンスを行うことで、物件の価値を長期間にわたって維持することができます。たとえば、共用部分の清掃や、外壁や屋根の定期点検、給排水設備の点検など、細かな部分にまで気を配ることで、入居者に「しっかり管理されている」という安心感を与えることができます。

特に気を付けたいのは、エアコンや給湯器、トイレなどの設備が正常に動作しているかどうかです。設備が故障してしまうと、入居者に大きな不便をかけるだけでなく、退去の原因にもなりかねません。定期的に点検を行い、問題があれば早めに修繕や交換を行うことで、長期的な賃貸経営が安定します。

3. 退去時の対応とリフォーム

入居者が退去する際には、物件の状態を確認し、必要に応じてリフォームや修繕を行うことも重要です。特に、次の入居者募集に向けて物件を魅力的な状態に保つために、清掃やリペアをしっかり行うことが必要です。

退去時には、敷金の清算や修繕費用の負担についての話し合いが発生することもあります。ここでトラブルを避けるためにも、契約時に取り決めた内容に基づいて、入居者と誠実に対応することが大切です。清算がスムーズに進めば、物件を早く再募集でき、空室期間を短縮することができます。

まとめ

賃貸経営は、入居者を募る段階から物件の管理まで、一貫して丁寧な対応が求められます。適切な賃料設定と広告戦略で入居者を迅速に確保し、物件のメンテナンスや入居者との良好な関係を保つことで、安定した賃貸経営を実現することができます。さらに、退去後も素早く対応することで、収益を途切れさせずに物件の価値を高め続けることが可能です。賃貸経営を成功させるためには、長期的な視野と入居者に対する細やかな気配りが欠かせません。

次回は、賃貸経営におけるリスクとその対策について深掘りしていきます。リスクを理解し、しっかりと対策を講じることで、賃貸経営をより安定したものにしていきましょう。

連載「世界一わかりやすい不動産投資」の全体目次はこちらから!