ノウハウ
愛知で後悔しない不動産の買い方 : 7
家を買う――それは、人生で最も大きな決断の一つです。心躍るような新生活のスタートと同時に、少しの不安や緊張が入り混じる感覚。家の購入は、ただ物件を選んで終わるものではありません。そこには、多くの手続きや準備があり、一歩一歩を踏みしめながら進んでいく長い旅路が待っています。しかし、そのプロセスを楽しむことができれば、家探しはかけがえのない思い出となり、理想の住まいにたどり着くことで大きな達成感を味わえるはずです。この章では、物件探しから契約、そして引渡しまでの具体的な流れを、楽しみながら進められるようにガイドします。
物件購入の旅は、まず「予算を決める」という準備から始まります。いきなり物件を探し始めるのは心が躍るかもしれませんが、まずは現実的な視点で自分にとって無理のない範囲を明確にすることが大切です。
「どれくらいの家なら手が届くのだろう?」と漠然と考えるだけではなく、まずは自己資金を整理しましょう。ここには、頭金に加えて諸費用(登記費用や仲介手数料、引越し費用など)も含まれます。これらは、物件価格の5%〜10%程度が目安とされます。
次に、住宅ローンを視野に入れて借入額のシミュレーションを行います。銀行や金融機関に相談し、「事前審査」を受けておくと、具体的にどれくらいの物件を購入できるのかが見えてきます。この段階で借りられる額が決まれば、いよいよ現実的な夢に向かって動き出すことができます。
予算が明確になったら、いよいよワクワクする物件探しの時間です。ここで大切なのは、「自分がどんな家に住みたいか」を具体的にイメージすること。家探しは、単なる物件選びではなく、これからの自分の生活を形作る作業です。
まずはエリア選び。どの地域で暮らしたいのか、アクセスや周辺環境、学校や商業施設など、自分のライフスタイルに合った場所を選びましょう。そして、間取りや築年数、デザインなど、理想の住まいに必要な要素をリストアップします。希望条件を整理しておくことで、数多くの物件情報から自分に合った物件を絞り込みやすくなります。
不動産情報サイトや不動産会社を活用して、気になる物件をピックアップしましょう。ただし、写真や間取り図だけでは見えない部分も多いものです。気になる物件があれば、必ず現地で内見を行うことが重要です。内見では、単に家の中だけでなく、外から見た建物の雰囲気や、周辺環境、近隣の様子にも目を向けてください。昼間と夜、平日と休日で環境が変わることもあるので、異なる時間帯に訪れるのも一つの手です。
そして、内見で「これだ!」と思える物件に出会った瞬間、それは物件購入の第一歩。物件選びには迷いがつきものですが、理想の家が見つかったときの興奮は一生忘れられない感動です。
理想の家が見つかったら、次に行うのが「購入申込書」を提出することです。この申込書を通じて、売主に「この家を購入したい」という意思を正式に伝えます。購入申込書には、希望する価格や引渡し時期、その他条件を記入します。ここでは、価格交渉のチャンスもあります。多くの場合、価格は完全に固定ではなく、売主との交渉によって値引きが可能です。購入申込書を提出した後、売主とのやり取りを経て、価格や条件に合意が得られれば、次はいよいよ契約の段階です。
この瞬間は、物件購入がぐっと現実味を帯びるタイミングです。交渉が成立し、「この家を手に入れるんだ」と実感する瞬間は、次の大きなステップへとつながります。
購入申込が通ったら、住宅ローンの本審査を受けるステージに進みます。事前審査では、あくまで購入者の支払い能力に対する審査でしたが、本審査では実際に購入する物件に対する審査も行われます。具体的な物件情報、所得証明書、身分証明書など、必要な書類を提出し、審査の結果を待ちます。この審査期間は数日から数週間かかることが一般的ですが、審査に通れば、いよいよ次は契約の時です。
審査中は少し緊張するかもしれませんが、最初の一歩を踏み出したあなたは、すでに夢の家へと近づいています。
住宅ローンの審査が無事に通過したら、いよいよ物件の売買契約を締結します。これは、家を正式にあなたのものにするための非常に重要なステップです。契約日には、売主と買主が集まり、不動産会社の仲介で売買契約書に署名・捺印を行います。また、契約時には「手付金」を支払うのが一般的です。手付金は、物件価格の5%~10%が相場とされ、この支払いをもって契約が成立します。
契約書にサインをする瞬間――それは、長いプロセスの中で最大の決断の瞬間かもしれません。ここでしっかりと契約内容を確認し、不明点があればその場で解消しておくことが大切です。特に、万が一の解約条件や違約金についても事前にしっかりと確認しておきましょう。
この瞬間、あなたは正式に家の所有者になるための第一歩を踏み出したことになります。夢が少しずつ現実の形になっていく感覚を味わうことができるでしょう。
契約が完了したら、物件の引渡しが待っています。新築物件の場合は数週間で引渡しが行われますが、注文住宅や新たに建設される場合は、その完成を待つことになります。
引渡し前に行うのが「立会い」です。これは、購入する物件に不備や問題がないかを最終的に確認する大切なステップです。家の中をくまなくチェックし、問題が見つかった場合は売主に修繕を依頼します。この確認が完了すれば、いよいよ物件の鍵が渡され、所有権が正式に移転します。
鍵を受け取った瞬間は、家の旅路の終わりであり、新生活の始まりです。あなたは正式にその家のオーナーとなり、新たな物語がここからスタートするのです。
引渡しが完了し、新しい家の鍵を手にした瞬間から、あなたの新しい生活が始まります。まずは引越しの準備を進め、ライフライン(電気、ガス、水道)の手続きを忘れずに行いましょう。そして、新しい住まいにインテリアや家具を配置し、自分の好きなスタイルで空間を整えていきます。
家の購入は、単なる物件探しではなく、新たな生活のスタートです。日常生活を送りながら、家がだんだんとあなたらしい空間に変わっていくのは、まさに家づくりの醍醐味と言えるでしょう。
連載「愛知県で家を買うということ」の全体目次はこちらから!